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安田町の中心地にあり、洋菓子店として安田町内外の人に親しまれてきた「つとや」。この建物は70年以上前に祖父が建て、国の登録有形文化財に指定されています。今は三代目主人の廣松學さんが受け継ぎ、次世代へつなげます。 廣松さんは県外に就職していましたが、父の病気で25歳の時に洋菓子店を継ぎました。修行らしいものをしていないので、自己流で一から勉強し、菓子づくりを始めました。それだけに、洋菓子の新しいものが出た時は習いにいく積極性があり、特に生クリームのケーキが安芸で販売された時は、すぐに取り入れたといいます。
お店の自慢の逸品に、廣松さんがつくって40年のマドレーヌがあります。生地をつくるのに自分の手で確認しながらかき混ぜています。
「卵と砂糖、バターを泡立てて、それから卵をまた入れて、それからは手でずっと回しますね。ミキサーじゃ小麦粉が飛び回るから駄目。ラム酒の分量は卵に対してこれぐらいという感覚でわかるね」 生地をかき回している時の廣松さんの姿は威厳があり、職人の顔そのものでした。明るい口調で話す時のギャップが微笑ましいのです。
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